上司から「vanilla」ソフトウェアをインストールしろと言われたら、どうする?
第3回目のフレーズは「vanilla」。
上司:「ちょっと、新入りのキミ」
あなた:「はい!」
上司:「このソフト買っといてくれる?」
上司:「で、とりあえずバニラでいいから・・・」
あなた:(ソフトクリームのバニラ味が何だって?)
上司:「ソッコーでインストールしといて」
あなた:(即興でインストゥルメンタル!?)
あなた:「ちょっと何言ってるかわかりません!」
上司:「・・・。」
こんな聞き間違い、新人エンジニアだったらしてしまうかも?
あなたの上司が求めていたのは、ソフトクリームではありません 笑
IT業界におけるvanillaとは、なにも設定変更や機能追加などをしていない、まっさらなデフォルト版のソフトウェアやアルゴリズムのこと。アメリカでのアイスクリームのデフォルト味/標準味がバニラ味なことから来ています。
有名な使用例はというと、Linuxでは vanillaカーネルという言葉があり、Linux作者のリーナス・トーバルズさんがリリースするのはプレーンな vanilla版となります。それをベースに、いろんな人が追加トッピングをごてごてと施していくわけですね。
注意点として、厳密にはvanillaはデフォルト版ではなく、ありふれた設定のことを指すとの指摘もあります(source)。なので、論文や技術書で使う時は気をつけてください。例えば「the baseline scoring sytem is vanilla Moses」(source)という文章があった時、これ単独ではMosesがデフォルト設定なのか、ベースラインとして業界標準的に使われるデファクト設定なのか、曖昧性が生じてきます。(デフォルト版と理解されることのほうが多い気はします。)
vanilla は、英辞郎には「〈話〉普通の、ありきたりな、面白みのない」とあり、IT業界以外でも使われることがあるようです。ちょっと混乱するのが食べ物に使われた時。「vanilla wonton soup」と言ったら、バニラ味のワンタンスープではなく、ありふれた(辛くない、酸っぱくない)ワンタン味です。(source)
発音は「vah-NIHL-uh」で、日本語読みのバニラだとたぶん通じないでしょう。ポイントは「v」サウンドとアクセント。forvo.comでアメリカ人5人の「バニラ」発音の聴き比べができますので、ご参考に。
ではまた次回!